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マニア(オタク)のイメージ理由を考察

イメージ理由の回答結果はいかがだったでしょうか。良いイメージ、悪いイメージの理由から、マニアやオタクという言葉が示す人物像が具体的に浮かんできました。


私宛にメールを下さった方のお話によると、ニューヨークやパリやロンドンのサブカルシーンでotakuと言った時には、ジャパニメーションなど日本のサブカルに精通するcoolな人の事を指すなど良いイメージで利用されているそうです。


しかし、大半の方が悪いイメージと答え、具体例をたくさん挙げられていることから分かるとおり、通常『マニア』『オタク』というと、悪いイメージの理由で挙げられた人物像を思い浮かべるようです。


つまり、『マニア』『オタク』という言葉には、相反するイメージが共存しているのです。


試しに、infoseekの大辞林(国語辞典)で二つの言葉を検索してみました。
『マニア』:趣味などで、一つの事に熱中している人。狂(きよう)。「鉄道―」「切手―」
『オタク』:ある分野、物事に異常なまでにくわしい人を俗にいう若者言葉。「漫画―」


二つの言葉の共通点は、「ひとつの物事に、狂っているのかと思うほど異常に詳しい人」でしょうか。 (マニアという言葉には「詳しい」という意味はありませんが、狂うくらい熱中していればその物事に詳しくなるのは当たり前、というところから「詳しい」にまとめました。)


逆に相違点は、マニアが主に趣味に関連する言葉であるのに対し、オタクは幅広く、全ジャンル、分野に関連している点。また、オタクが若者言葉であるという点です。


しかし、「趣味」「特技」という言葉があるとおり、分野の広さや老若男女に関係なく、人間は興味ある物事に熱中する生き物。熱中すれば、詳しくなりますよね。つまり、誰でも『マニア』『オタク』の気はあるということです。


問題は、「異常なほど」という部分。どの程度詳しくなると、「異常なほど」になるのか、それはそれぞれの物事によって指標は異なってくるでしょう。


先ほどと同様、infoseekの大辞林(国語辞典)で言葉の意味を検索してみました。
『異常』:普通と違っていること。いつもと違うこと。また、そのさま。


普通でなければ、異常である、ということでしょう。では、普通とはどういう状態を指すのか、これもinfoseekの大辞林(国語辞典)で検索してみました。
『普通』:
(1)いつでもどこにでもあって、めずらしくない、こと(さま)。「日本に―の鳥」
(2)ほかとくらべて特に変わらない、こと(さま)。「ごく―の家庭に育つ」「―ならもう卒業している」
(3)特別ではなく、一般的である、こと(さま)。「―高校」



つまり、『異常』とは、「めずらしい、他と比べて変わっている、特別なこと、またそのさま」と言い表すことができます。しかし、『マニア』『オタク』は人のことを意味します。十人十色(考え、好み、性質などが人によってそれぞれ違うこと)という言葉があるとおり、人は皆それぞれ違うもの。他の人々と比べようとしても、皆違うので比べることは不可能に近いはずです。


では、どうして人々は『マニア』『オタク』と一般人を区別することが可能なのでしょうか。その答えは「比べる人がそれぞれ主観を持っているから」でしょう。「蓼(たで)食う虫も好き好き(辛い蓼を食う虫もあるように、人の好みはさまざまであるということ)」というように、人はそれぞれ自分の尺度を持って物事を推し量っているのです。


人々は己自身の主観によってどこから異常なのか線引きをしており、その結果、無意識に心の中で「ひとつの物事に、狂っているのかと思うほど異常に詳しい人」、つまり『マニア』『オタク』を定義しているのです。


「詳しい」という言葉も同様です。infoseekの大辞林(国語辞典)で検索した結果、反意語に「うとい」という言葉が存在することが分かりますが、
『うとい』: へだたりを感じるさまである。なじめない。頭のはたらきが鈍い。間抜けだ。
という意味が含まれており、あまり良いイメージの言葉ではなさそうです。すなわち、相反する意味の「詳しい」という言葉は良いイメージになるわけで、『マニア』『オタク』の良いイメージというのは、ここから生まれたものと推測できます。良いイメージだという方々は、「異常は異常でも、嫌悪感を覚えるほど異常ではない=普通+αだ」、という意味で『マニア』『オタク』という言葉を捉えているのでしょう。


人間は「異常」なものを嫌悪し、排除しようとする本能を持ちます。異常なほど物事に詳しいことは嫌悪感、すなわち悪いイメージを想起させ、排除したいと無意識に感じてしまうのです。 『マニア』『オタク』の言葉が悪いイメージを持つ理由はこれでしょう。悪いイメージだという方々は、「もはや嫌悪感を覚えるほど異常だ」という意味で『マニア』『オタク』という言葉を捉えているのでしょう。良いイメージと悪いイメージは紙一重。そしてその一枚の紙は、人々の主観にかかっているのです。


しかし、どちらも物事に「詳しい」ことには変わりなく、詳しいという言葉が本来良いイメージで利用されていることから、『マニア』『オタク』という言葉の意味の”核”は良いイメージだということが言えるでしょう。例えば、ノーベル賞などの人々に認められる功績は、「詳しすぎ」ないと得られないものであるように。


『詳しい』ことはよいことで、『詳しすぎる』ことは悪いこと。なんとなく不思議ですね。


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